「紅白は観たの?」

「観てない。
K-1もガキ使もダイナマイトも観なかった。
年越しらしいことは一つもしなかった。
蕎麦は昨日、昼と夜に二回食べたけど、
夜中は食べなかった。
けれどね。
僕はもう、僕が僕として自足しているなら、
他に重要なことなんて何一つないんじゃないかって、
そんな風に思えるようになってしまったんだよ。
だから、大晦日だって元旦だって、
変わらない僕の生活の一部であって、
『だから』という理由で何かをしなくちゃいけないことはないんだ。



けれど、スーパーで半額になっていたあんころもちは、美味しかったよ。」